はじめに|「面接より、実はその後の方がきつい」
スクールカウンセラー(以下SC)の仕事は、面接に通った瞬間がゴールではありません。むしろ多くの初心者が本当に戸惑うのは、「今日から来てください。相談室はあそこです」と案内された、その初日以降です。
- 同じ心理職がいない
- マニュアルがない
- 誰に何を聞けばいいかわからない
- 判断を一人で背負っている感覚になる
この「ひとり職場感」に、想像以上に心を削られる人は少なくありません。
この記事では、面接対策の視点を押さえつつ、実際に仕事が始まった後、ひとり職場で折れずに働くためのヒントを、現場目線で徹底的にまとめます。
面接で見られているのは「ひとり職場耐性」
スクールカウンセラーの面接では、表向きは聞かれなくても、
実はこんな点を見られています。
- 一人で抱え込みそうなタイプか
- 困ったときに助けを求められるか
- 判断を独断で進めそうか
つまり、「ひとり職場でも破綻しないか」です。
だからこそ面接では、
- 連携
- 相談
- チーム対応
という言葉が非常に重視されます。
これは、採用後の現実を見越した質問でもあります。
着任初日にまずやるべきこと(超重要)
「相談室に座って待つ」はしない
初心者SCがやりがちなのが、
「とりあえず相談室で待機」
ですが、これはかなり危険です。
最初にやるべきは、
- 管理職(校長・教頭)への挨拶
- 養護教諭への挨拶
- 担当教員(教育相談担当など)への挨拶
です。
ここでの目的は仕事をもらうことではなく、関係性を作ること。
「何をしていいかわからない」は普通
初心者のうちは、
- 予約が入らない
- 生徒が来ない
- 何を準備すべきかわからない
これは異常ではなく、通常運転です。
この段階で自分を責めないことが、長く続けるための第一歩です。
ひとり職場で一番つらい「判断の孤独」
SCが一番消耗するのは、
「この判断、本当に合ってる?」
という感覚です。
- このケース、共有すべき?
- まだ様子見でいい?
- 介入しすぎ? 放置しすぎ?
正解がない判断を、一人で抱える状態が続くと、確実に疲弊します。
解決の鍵は「外に判断軸を持つ」
ひとり職場で折れないSCは、例外なく
- スーパービジョン
- 外部の心理職仲間
- 過去の指針・ガイドライン
など、自分以外の判断軸を持っています。
「ひとり=孤独」ではなく、
「物理的に一人なだけ」という状態をどう作るかが重要です。
相談記録は「自分を守る道具」
初心者SCほど、相談記録を
- 面倒
- 時間がかかる
と感じがちですが、実は逆です。
記録は、
- 判断の振り返り
- 後から説明する材料
- 自分を守る証拠
になります。
記録で最低限押さえたい視点
- 事実(起きたこと)
- 解釈(自分の見立て)
- 対応(何をしたか)
- 今後(次どうするか)
完璧な文章でなくていい。
「あとで自分が読んで分かること」が最優先です。
「何もしない日」に価値を見出す
SCの仕事は、
- 常に誰かを支援している
- 目に見える成果がある
わけではありません。
むしろ、
- 誰も来なかった
- 何も起きなかった
という日は、学校が比較的安定していた証拠でもあります。
「今日は何もなかった=役に立っていない」
ではありません。
教員との距離感で迷ったときの考え方
初心者SCが一番悩むのが、
- どこまで踏み込む?
- どこからは教員の領域?
という問題です。
基本スタンスはこれでOK
- 教育の責任は学校
- 心理の専門性はSC
- 決定は組織
「提案はするが、決定はしない」
この立ち位置を守るだけで、かなり楽になります。
「自分は役に立っていない」と感じたら
これは、ほぼ全員が一度は通る道です。
特に、
- 非常勤
- 週1勤務
- ひとり配置
の場合、この感覚は強くなります。
そんなときは、
- 今日話した内容
- その場で安心した表情
- 「話せてよかった」の一言
小さな変化に目を向けてください。
SCの仕事は、派手な成果より
静かな積み重ねです。
初心者SCが「無理しない」ための心得
- すべてを救おうとしない
- 完璧な対応を目指さない
- 相談する自分を許す
スクールカウンセラーは、
頑張りすぎる人ほど燃え尽きやすい職種です。
長く続けること自体が、最大の専門性になることもあります。
まとめ|ひとり職場でも「ひとりで抱えない」
スクールカウンセラーの仕事は、面接や資格よりも「どう自分を守りながら続けるか」が重要です。ひとり職場でも、
- 判断を外に開く
- 関係性を作る
- 自分を責めすぎない
この3つを意識するだけで、仕事のしんどさは大きく変わります。初心者であることは、弱さではなく、伸び代です。



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