自分の子どもが性加害をしていたら、親はどうしたらいいのか

心理・考察

――年齢別対応・学校や警察との関わり・親自身の不安まで含めて考える

「もし自分の子どもが、誰かに性的な被害を与えていたと知ったら」

多くの親にとって、想像するだけで胸が締めつけられる出来事です。
ショック、混乱、否認、怒り、そして強い自己否定。
一瞬で、これまで信じていた家族像や“普通の未来”が崩れる感覚を覚える人も少なくありません。

しかし、性加害は決して特殊な家庭だけに起こる問題ではなく、
どの家庭にも起こり得る現実的な課題です。

この記事では、

  • 親としてまず何を考えるべきか
  • 絶対に避けるべき対応
  • 年齢別の具体的な関わり方
  • 学校・警察・外部機関が関わる場合の整理
  • 「親も加害者扱いされるのでは」という不安への向き合い方

これらを一つずつ丁寧に掘り下げていきます。

被害者の存在を最優先に考える

どんな背景や事情があったとしても、性加害が起きた時点で、被害を受けた人が存在するという事実は動きません。

被害者は、

  • 心身の安全を侵害され
  • 強い恐怖や羞恥、混乱を抱え
  • 長期的な心理的影響を受ける可能性があります

ここで重要なのは、加害した側の「悪気の有無」や「年齢」では、被害の重さは変わらないという点です。親としてまず必要なのは、「わが子を守る前に、被害者がいる現実を直視する姿勢」です。

親に起こりやすい心理反応

実際にこの状況に置かれた親御さんの多くは、次のような感情を行き来します。

  • 「信じられない」「何かの間違いだ」という否認
  • 強烈なショックと混乱
  • 「私の育て方が悪かった」という自責
  • 世間に知られることへの恐怖
  • 子どもを守りたい気持ちと、怒りや失望の葛藤

これらはすべて、異常な反応ではありません。それだけ大きな心理的衝撃を受けているという証拠です。ただし、感情に飲み込まれたまま対応すると、事態を悪化させてしまうこともあります。

親が「やってはいけない対応」

事実を隠す・なかったことにしようとする

被害を矮小化したり、外部に知られないよう動くことは、
結果的に被害者を再び傷つけ、子どもにも誤ったメッセージを与えます。

「責任を取らなくていい」
「バレなければいい」

こうした学習は、再発リスクを高めます。

被害者を疑う・責める

「相手も誤解しているのでは」
「相手が誘ったのでは」

このような言葉は、二次被害になります。
親の立場であっても、絶対に越えてはいけない一線です。

感情的に断罪し、突き放す

怒鳴る、人格否定をする、完全に距離を置く。これも逆効果です。恐怖や羞恥が強まると、子どもは事実を語らなくなり、内面化した問題はさらに深刻化します。

親として取るべき基本姿勢

性加害に向き合う上で、最も重要なのは
「行為」と「人格」を切り分けることです。

  • 行為は明確に「許されない」と伝える
  • しかし、子どもそのものを見捨てない

これは甘やかしではありません。

「あなたがしたことは重大で、責任がある」
「それでも、向き合い直すことを支えるのが親の役割だ」

この両立が、再発防止の土台になります。

なぜ子どもが性加害に及んだのか

理由は一つではありません。

  • 性に関する誤った知識やネット環境
  • 自身が被害体験を持っている
  • 衝動性や発達特性
  • 人との距離感・同意の理解不足
  • 強い孤独感や自己否定感

ここで大切なのは、理由を理解することと、行為を正当化することは違うという点です。原因を探るのは、「免罪」のためではなく、再発を防ぐためです。

【年齢別】親の関わり方のポイント

未就学児〜小学校低学年

  • 好奇心や模倣による行動が多い
  • しかし、被害が生じた場合は「年齢だから」で済ませない
  • 体の境界線・同意・触れていい/いけないの明確化が必要

叱るよりも、具体的で分かりやすい説明と繰り返しの教育が重要です。


小学校高学年〜中学生

  • 性的関心の高まりと未熟な判断力が重なる時期
  • ネット・SNS・ポルノの影響を受けやすい
  • 「軽いノリ」で重大な加害になるケースも多い

この年代では、曖昧な注意ではなく、明確な線引きと責任の話が必要です。

高校生以降

  • 行為の社会的責任がより重くなる
  • 刑事的問題に発展する可能性も現実的
  • 「知らなかった」「つもりじゃなかった」は通用しない

感情論ではなく、社会のルールとしての性行為・同意・責任を具体的に扱う必要があります。

学校・警察・外部機関が関わる場合

学校が関与するケース

  • 学校は「教育」と「安全確保」が最優先
  • 保護者の感情より、組織としての対応が取られる
  • 情報共有や指導内容にズレを感じることもある

疑問や不安は、感情的にならず、文書や面談で確認することが大切です。

警察が関与するケース

  • 年齢や内容によっては刑事責任が問われる
  • 親が代わりに責任を負うことはできない
  • しかし、親の姿勢は大きく見られます

「隠そうとした」「軽く扱った」印象は、結果的に子どもの立場を悪くすることもあります。

専門機関につなぐことは「逃げ」ではない

性加害の問題は、家庭だけで抱えきれるものではありません。

  • 児童相談所
  • 医療機関(精神科・心療内科)
  • 性問題を扱うカウンセリング
  • スクールカウンセラー

これらにつながることは、親として最も責任ある選択です。

親自身のケアは後回しにしない

忘れられがちですが、親も深刻なストレス状態にあります。

  • 誰にも相談できない
  • 眠れない
  • 常に自分を責め続ける

この状態で冷静な判断をするのは困難です。可能であれば、親自身も第三者(専門職)に話す場を持ってください。

「親も加害者扱いされるのでは」という不安について

この不安は、とても現実的です。

  • 周囲の目が怖い
  • 学校や地域で孤立するのでは
  • 「育て方が悪い」と責められるのでは

しかし、適切に向き合い、支援につなげる親は責められる存在ではありません。むしろ、問題を直視し、再発防止に動く姿勢は評価されます。

更生は一気に起こるものではない

性加害の問題は、「反省したから終わり」ではありません。

  • 時間をかけた振り返り
  • 継続的な教育と支援
  • 周囲の大人の一貫した関わり

これらの積み重ねによって、初めて変化が起こります。

最後に

自分の子どもが性加害をしたという現実は、親にとって耐えがたいものです。それでも、向き合うことを選んだ親の姿勢は、子どもの人生に大きな影響を与えます。

被害者を守ること。
子どもに責任を教えること。
社会と再びつながる道を探すこと。

どれか一つではなく、すべてが必要です。

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