ミラベルだけ魔法を使えなかったのには理由がある

映画考察

金曜ロードショーで偶然観た『ミラベルと魔法だらけの家』でしたが、観た瞬間からどハマりしてしまい、Disney+に加入して何十回も見返すほど。

とにかくストーリーも登場人物も魅力的で、私の大好きなものを詰め込んだ作品でした。

まさかこんな作品とは知らず、映画館に見に行かなかった過去の自分にドロップキックしたいです。

おそらく、私と同じようにミラベルの魅力に気づいていない人がたくさんいるのではと思ったので、紹介します!

あらすじ

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの「ミラベルと魔法だらけの家」は、並外れた力を持つ家族マドリガル家を描いた物語だ。舞台はコロンビアの山中に隠された活気に満ちた町。エンカントと呼ばれる不思議な場所に建つ魔法の家で、マドリガル一家は暮らしている。

エンカントの魔法は、強いパワーから癒しの力まで、家族の子供たち全員に特別な才能を与えたが、ミラベル(声の出演 ステファニー・ベアトリス)だけは何もない。だが家に満ちた魔法が危険にさらされたとき、ミラベルは、マドリガル家でただ一人普通の人間である自分が、並外れた力を持つ家族の最後の希望かもしれないと気づく。

監督はジャレド・ブッシュ(「ズートピア」共同監督)とバイロン・ハワード(「ズートピア」、「塔の上のラプンツェル」)、共同監督シャリース・カストロ・スミス(「The Death of Eva Sofia Valdez(原題)」脚本)、製作はイベット・メリノとクラーク・スペンサー、脚本はカストロ・スミスとジャレド・ブッシュ。エミー賞、グラミー賞、トニー賞を受賞したリン=マニュエル・ミランダ(「ハミルトン」、「モアナと伝説の海」)のオリジナルソングが全編を彩り、ジャーメイン・フランコ(「劇場版 ドーラといっしょに大冒険」、「リトル」、「Tag(原題)」)がスコアを手がけている。

Disney +より引用: https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/encanto/33q7DY1rtHQH

他の作品に負けない音楽と映像

アナ雪要素とリメンバーミー要素を入れつつ、コロンビア風味に仕上げました♪って感じの作品。

物語の現在軸の始まりからウキウキした。

朝起きて家の中を走り回ったり、お皿を並べるのはアナ雪さながら。

糸一本でさえも細かく描かれているのにびっくりした。

ルイーサのうなじの産毛の1本まで見えちゃう。

服とかインテリアとかお皿の模様とか、とにかく柄が素敵で魅入っちゃう。

1番可哀想なのはブルーノ

ブルーノが家族団欒を見ながら一人で食事してたとわかるシーンとか、「落ち着くでしょ」ってミラベルからもらったぬいぐるみを渡してあげるシーンとか、感情を揺さぶられるようなシーンが盛りだくさん。

ブルーノの境遇があまりにも可哀想で、胸が締め付けられた。

未来を見ている時のブルーノの目がグリーンになるのが、ミラベルのグリーンのメガネとなんとなく共鳴しているイメージ。

ミラベルが未来を変える力があることを予兆しているみたい。

ブルーノがおまじないに固執してるのは、良くない未来を見てしまったとき、それが現実にならないように頼れるのがもう神様しかいないんだろうなと思うと、より孤独感を感じる。

それでも一生懸命神頼みしている姿は、見ていて辛くなる。

誰よりも家族を想い、誰よりも家族のために行動する、心優しいブルーノ。

最後に報われて来れて良かったし、街のみんなも家族もブルーノに謝って欲しいと思ったのは私だけ…?

ミラベルに魔法がない理由

ミラベルがイサベラとハグすると、家にヒビが一時的に直ったのは、家族の絆が修復されたことに呼応していたように思う。

結局家が崩れてしまったのは、家族の気持ちがバラバラになってしまったから。 

弱い自分でも、出来ない自分でも、自分だから受け入れてもらえると実感できること。それが心の健康につながり、幸福を感じることができる。

ミラベルが儀式をする前、おばあちゃんは「どんな力だとしてもあなたと同じように特別なもの」と言ってくれてた。でも、新しくアントニオが魔法を授かった際には、ミラベルの存在を忘れて家族写真を撮った。魔法ばかりを見て、肝心の”その人自身”を見なくなっていた。だから家のヒビが現れたんじゃないかなと思う。

そんな家族の絆を修復する存在こそミラベルであり、ミラベルの魔法なんだと思う。

ミラベルが家のドアノブを取り付けた時、扉には家族みんなの姿が描かれ、みんな魔法の力を取り戻していた。ミラベルはみんなの魔法を修復してあげた存在

ミラベルが魔法を授かる儀式をしたときには、まだミラベルの魔法が必要がなかった。だから魔法として現れなかったんだろうな。

また、家族の持つ魔法は、それぞれの好きな物に偏っていた。

イザベラは美しいものが好きだし、ルイーサは人の役に立つのが好きで、アントニオは動物が好きだった。ミラベルは家族が好きだから、家族に関連するギフトを授かったんだと思う。

完璧を求められてイライラしていたイサベラ

とにかくイサベラ可愛すぎた。お花に囲まれて身のこなしも優雅で、桃色水色紫色に囲まれてるのが本当に私の好みそのもの。顔の彫りが深くて、泣きぼくろがあって、眉毛はっきりの黒髪ロングで、南米系の美人さん。

…でもきっとそんな周りの期待がイサベラが本当に好きな物を我慢させることになったんだよね。「家族ためにやってただけ」と。

サボテンが生えたのは、自分の本音がポロッと漏れたからかな。そんな自分の本音を大事にして、尊重して、ミラベルも一緒に受け入れてあげてた。みんなの求める完璧じゃなくて、あるがままの自分を表現できるようになって、どこかイライラしてたイサベラも落ち着いた。

好きなものをずっと我慢してたんだから、そりゃイライラするよねって感じ。

ドロレス黒幕説に反対

ドロレスが可愛すぎて大好きです、私の推しです。だけど忖度なしで考えて、ドロレスの黒幕説には異議を唱えたい。

ずっとブルーノの声が聞こえてて、わかってたのにそのままにするところとか、ミラベルに対して嫌味を言うシーンがあるから、巷ではドロレス黒幕説なんてのがあるみたいだけど、それは違うと思う。

確かに、この一件でマリアーノ奪取が成功して得をしているし、遠くの声まで聞こえるっていうギフトは悪巧みに活用できそうなのは間違いない。

「秘密のブルーノ」で、みんなはブルーノの噂を信じ、ブルーノは恐ろしい人だと歌っていた。けど、ドロレスだけはブルーノを心配するような発言をしていた。本当は噂のような人ではないとわかっているようだった。

また、ドロレスパートの背景にブルーノの影が映っているのも意味深。

魔法の伝承と、想定される未来。

ミラベルの母世代の魔法は「天気」「回復」「未来予知」で、生死に直接関わる事象に関する魔法

ミラベル世代は「怪力」「花を咲かす」「返信」「超聴力」「動物と話せる」という生活は豊かになるけど直接生死と関わらないプラスαな感じの魔法

きっと世代を重ねるごとに魔法は実用的なものじゃなくなっていって、いつか魔法に頼らなくても生きていけるような村になるんじゃないかな。

東京ディズニーランドのショーに抜擢

2024年9月20日からディズニーランドで始まった、新しいナイトタイムエンターテインメント「Reach for the Stars」に、なんとミラベルの曲が採用されています。

採用されているのはまさかのルイーサの「増していくプレッシャー」ですが、実際にショーを見てみると、しっくりきました。

ミラベルの曲が出てくるとは思わなかったので、思わず声がもれました。

ミラベルがテーマのアトラクションが登場

アメリカのオーランドにあるディズニーワールドにて、ミラベルをテーマにしたライドアトラクションがオープンすると発表されました。

2027年にアニマルキングダムに登場するとのこと。

また、それに先立って、2024年の夏に期間限定でエプコットにてミラベルとブルーノが登場するショーが開催されていました。

2023年9月15日からマジックキングダムでミラベルのグリーティングが始まりましたが、カリフォルニアディズニーランドにて2024年9月1日からイサベラ、9月3日からルイーサのグリーティングが始まりました。

これからもどんどん増えると思うので、楽しみです。

いつかドロレスのグリーティングができることを願って…。

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