あらすじ
精神を病んだ犯罪者の収容施設がある孤島、シャッター アイランド。厳重に管理された施設から、一人の女性患者が謎のメッセージを残して姿を消す。孤島で起きた不可解な失踪事件の担当になった連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は、この孤島の怪しさに気付き始める……
考察の余地がありすぎる衝撃のラスト
まず『アサイラム』と言う映画に凄く似ているなという印象。
アサイラムの方が公開が後なので、アサイラムの原作をオマージュして作ったのかなと推測。
院長が同じ俳優さんだし!
そして観終わってすぐ「…どっちだ?」と思ったが、
よくよく振り返るとまぁ深読みし過ぎなくていいかなと言う結論に至った。
精神科の閉鎖病棟が舞台の作品であり、
伏線も張りながら、最後にドンデン返しをされるものの、
終わり方に関しては議論の余地はある…というのがこの物語の魅力。
ラストは、
①テディは患者でありこれまでのすべては彼の妄想であったというオチ
②病院側がテディを人体実験の患者に陥れ、テディを洗脳させていったというオチ
の2パターンが想定される。
主人公は患者であり、全て妄想だった?
① テディは患者でありこれまでのすべては彼の妄想であったというオチ
であるポイントを考えていく。
まず、テディとチャックが島にやってきた時の警備隊の対応が厳しく冷たい態度で、
患者たちはテディを見て笑っていたり、指をさしたりしたのは、
テディと面識があったことを示している。
また、テディが
「酷い犯罪を犯して収容された患者に安らぎを与える必要があるのか」とチャックに言った際、
チャックが笑ったのは、テディも犯罪を犯した人間だからだろう。
テディの事情聴取に集まった病院の看護師たちが
常に不安そうに違いに目配せをしたり、テディが身を乗り出した時に緊張が走ったが、
それは、 テディ が実際の患者で、
彼の妄想に話を合わせなければいけない上に、
彼は暴力沙汰を何度も起こしているからだろう。
ラストの灯台のシーンで
コーリー医師が「びしょ濡れじゃないか、ベイビー」と突然お茶目なセリフを発したのは、
コーリー医師はアンドリューのトラウマを熟知していたからであろう。
人体実験の患者に陥れ、テディを洗脳させた?
②病院側がテディを人体実験の患者に陥れ、テディを洗脳させていったというオチ、
のポイントを考えていく。
根拠としては、洞窟で会った女性の言っていた、
支給されたタバコや薬を飲んだことは否定する理由がないこと。
また、「4の法則 67番目は誰?」というメモで、
4の法則は4人の登場人物がアナグラムになっているというもので、
67番目というのは病院の患者が66人おり、
アンドリュー自身を67番目の患者として取り込むための罠であった可能性が考えられる
(これに関しては逆にも取れるが…)。
ラストを確信した瞬間
①テディは患者でありこれまでのすべては彼の妄想であったというオチ
だと確信したのは、
ラストのテディの
「どちらの方がマシかな。モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」というセリフ。
このセリフから察するに、恐らくテディは正気に戻っている。
子を助けられず、妻を殺してしまった自分に
耐えられないほどの精神状態であったため、
彼はあえてテディを装って、
自らロボトミー手術を受けることを決めたのだろう。
また、テディは奥さんのことを火事の煙で死んだと言っていたが、
序盤でテディがみた夢での奥さんはお腹から血を流していた。
となると、保安官としてのテディの認識と夢(=深層心理)が食い違っているため、
火事の煙で死んだのは妄想であったと結論づけられる。
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