近年、発達障害という言葉をよく耳にするようになりました。
自分の子どもが発達障害と診断されたとき、親御さんはとても不安になると思います。
お子さんの学校生活、進路、そして将来がどうなるのか心配されるのは当然のことです。
そんな親御さんの不安を少しでも和らげるため、発達障害のお子さんの将来の見通しと、今できることに関してお話しします。
発達障害は個性の一つ
発達障害は「個性」の一つと言われることが多くなっています。
発達障害は「個性」なので良い悪いではなく学校や社会でその個性を受け入れていきましょう…というものです。
その考え方自体は非常に素晴らしいです。
しかし、猫も杓子も「個性」だけで捉え過ぎてしまい「トレーニング」をおざなりにしたり、本人が自身の制御方法を身に付けないままで社会に出たりしてしまうと、大人になってから取り返しの付かないことがあります。
社会に出たら、どうなるのか?
発達障害を抱える子どもでも、学齢期を過ぎるといやが応でも「社会に出る」ことになります。
その社会は普通の会社員かもしれません。
それとも障害者雇用枠での会社員となるかもしれません。
障害が「強め」の方であれば就労移行支援や就労継続支援のA型やB型が選択肢にあがるかもしれません。
社会に出て給与を受け取る以上その給与分以上の「仕事」をする必要があります。
終身雇用が当たり前ではない今の時代、社会的にも色々なことがありどの企業も生き残りに必死です。
障害者雇用枠でさえも現実を見れば賃金に見合う働きできないとその会社での居場所がなくなります。
それが、グレーゾーンの子どもや療育手帳がとれないレベルの子どもだとことさらに普通の会社員として成果を上げる必要があるのです。
では、無事に就職したけれど成果が上がらない場合は一体どうなるのでしょうか。
…当然、厳しい指導が入ります。
それは、パワハラではないけれど、十分頑張っている本人からすると、苦しいものでしょう。
また、例え厳しい指導が入らなくてもその会社に居辛い環境にはなるでしょう。
大人になってからの発達障害
発達障害は個性だということでそのまま、「何のケア」も「特性と個性を磨かず」「トレーニングもしていない」子どもは自身の特性の活かし方も制御方法も身に付けずに社会で出てしまうことになります。
そして、会社で結果を出せずに精神疾患を患う可能性も少なくないでしょう。
その精神疾患は
・うつ病
・躁鬱病
・双極性障害
・統合失調症
・対人恐怖症
・適応障害
など、さまざまです。
発達障害の「二次障害」で精神疾患を患ってしまった方は、発達障害の二次障害ということが医師にはなかなか理解されないまま「病気」だけが進行してしまうということが多々あります。
それくらい、二次障害の元の疾患を見定めるのは難しいのです。
そして、発達障害の二次障害で精神疾患を患ってしまった方は病気が寛解するまで非常に長い時間を要することがあります。
社会に出る前に身に付けておくこと
具体的に発達障害を抱える子やグレーゾーンの子どもは、社会に出るまでに何をすれば良いのでしょうか。
まずは、自身の特性についてしっかりと理解を深めることです。
そして、その特性をどうやって社会に合わせるかというソーシャルスキルを身に付けるのです。
あらかじめ社会に出ることを考慮して学生時代にソーシャルスキルのトレーニング、いわゆるSSTをおこなっておくのです。
さらには、メンタル面でダメージを受けてしまった後、どのように行動するかでそのダメージを軽減できるかが変わります。
人によって、精神的な強さは異なります。
屈強なラガーマンでもプロのアスリートでも社会に出て数年した後、精神疾患を患ってしまうことが少なくない時代です。
そのため、今の時代、誰でも精神疾患になる可能性があると考えて行動しておく必要があるでしょう。
さらには、発達障害を抱える子どもは自分では色々発言しますが非常に打たれ弱い、ということがあります。
社会は学生時代のように誰もケアしてくれません。
もしかしたら誰も相談にのってくれないかもしれません。
そのため子どもが大人なり独り立ちした後も働き続けられるようなトレーニングやメンタルケア技術が必要なのです。
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