子どもが不登校になった時に親ができること

心理学の話

新しい年度になりました。

この春、お子さんも親御さんも期待を胸に抱いて進学・進級なさったと思います。

しかし、残念ながらこの春に抱いた期待や希望も砕かれてしまった方もいらっしゃるでしょう。

そこで、お子さんの不登校についての考え方、そして、お子さんが不登校から脱却する際に気を付けること等についてご説明します。

不登校になる可能性は誰にでもある

さて、子どもが不登校になった際どのように捉えていけば良いでしょうか。

そもそも不登校という状態とはどんな状態を指すのか、下記にまとめてみました。

・登校を拒否しているのではない

・病気(いわゆる精神疾患など)ではない

・登校に関しての怠けでもない

・成長発達上の課題である

・現在は心理的な脱皮の作業をしている

・本人は何もしていないように見えるが重要なことをおこなっている

・本人にとっては必要な時期である

「不登校」は誰でもなる可能性があります。

そのため不登校は「問題」ではないでのです。

では、不登校とは何なのででしょうか。

不登校とは「一時的に学校に通っていない状態」なのです。

一時的としたのはこの先ずっと「今の状況と同じ」ではない、ということを意味しています。

どうして行けないのか、わからない子もいる

子どもが不登校になった際、多くの親御さんが、子どもの不登校の「原因」を探ります。

そして、その「原因」を払拭すれば不登校が改善すると考えがちです。

しかし、不登校の原因が「ない」場合があります。

もしかしたら「ない」ではなく「誰にも話せない」のかもしれません。

また、子ども自身がその不登校の原因について「理解」「認識」できていないこともあります。

「認識」できていないけれど、身体症状になって現れることがあります。

例えば、下記のようなことです。

・朝になるとお腹が痛くなる

・朝、起きることができない

・微熱が続く

さらには、「不登校の原因」を仮に解決したとしても即、登校につながるかは不明です。

解決をしてもそれで、子ども自身が納得するかというと、そうではないこともあるからです。

不登校になる4つの原因

子どもの不登校の原因はハッキリとは分かりません。

子本当の理由は、本人が言わない限りわかりませんが、おおむね下記の4つが該当します。

①学校の授業についていけない

②友人とのトラブル

③学校の先生との相性

④学校の授業に本人が興味を持てない

先ほど、子どもの不登校の原因を解決しても学校に通えるようになるかは分からないと書きました。

それは、一体どういったことなのでしょうか。

例えば、①のように勉強が引っ掛かっていた子が、ものすごく頑張って学校の授業についていけるようになったとします。

しかし、学校に行けてない期間が長ければ長いほど学校での自分の居場所を見出せなくなるのです。

結果として、勉強はできるようになったけど「学校には行かない」となるのです。

また、②のお友だちとのトラブルですが、仮にお友だちをケンカをしてしまい、その後、ケンカをしたお友だちが謝罪したとしても再び、今までと同じお友だち関係にはならないことも多いでしょう。

謝罪しても今までの全ての水に流してそして、ケンカがなかったように振る舞うということはとても難しいでしょう。

③の先生との相性ですが、これだけは、進級などで先生が変われば解決する可能性が高いです。

しかし、ある1名の先生から理不尽な対応されたことがキッカケで全ての先生がダメ、ということもよくあります。

全ての先生がダメになったしまったら仮に先生が変わったとしても解決にはならないでしょう。

④の興味の持てない学校の授業ですが授業がなくなることはまずありません。

それは、「学校教育法」で定められているからです。

授業は参加できないけれど行事であれば参加できる子どももいます。

しかし、授業と行事は全く異なるものなので仮に行事に参加できたとしても授業に参加できるようになるとは限らないでしょう。

不登校になる前にできること

では、子どもが不登校になる前に予め、何かやっておくことがあるのでしょうか・・・?

不登校は誰でもなりえる「状態」だと書きました。

いつ不登校になっても慌てないように手を打っておく必要があると思います。

不登校になる前に手を打っておく、そのやっておいて方が良いことは下記の2つです。

・学校以外でのコミュニティに所属しておく

・何でも気軽に相談できる人を作っておく

子どもが学校に行かなくなると、子どもの居場所は「家」のみになります。

接する人が家族だけになると家族以外とどう接すれば良いのか分からなくなる可能性があります。

そのため、本人の居場所が「学校」「家」以外の場所も用意しておくのです。

さらには、思春期を迎えた子どもは「何もかもを親に話す」ということが難しくなります。

昨今、さまざまな理由で親しい年長者に相談をするということも難しいでしょう。

そのため、子どもが気軽になんでも相談できる誰かを作っておくことが必要になるのです。

親ができること

お子さんが不登校から脱却する際に親御さんが気を付けることは、下記の4点です。

・過度な期待をかけない

・高校進学など、具体的な目標を決めすぎない

・親御さん自身が気軽に相談できる人を作る

・学校が全てではないという視点を持つ

学校に行く理由は、学習だけではありません。

この先社会で生きていくための社会性を身につけたり、対人関係を学ぶ場所として、大変重要な意味があります。

しかし、学校に行くこと自体が大きなストレスになる子にとっては、無理に登校させることで精神的な不調を引き起こします。

不登校状態は、むしろ自分を守るための防衛反応なのです。

お子さんが不登校になったのは、親御さんのせいでないことがほとんどです。

親御さんが適度に心配し、安心できるお家で見守ってあげることで、お子さんの心は回復していきます。

外の世界(学校や社会)でエネルギーをたくさん使っても、安全基地(家庭)でエネルギーを回復することができれば、頑張ることができるのです。

そうすれば、何かのきっかけで登校を再開したり、適応指導教室などの別の形で外に出ることができるようになるかもしれません。

お子さんへの対応が合っているか不安になったときには、スクールカウンセラーに相談してみることをおすすめします。

きっと力になってくれるはずです。

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