私は現在、週1日公立中学校でスクールカウンセラーの仕事をしています。よりリアルなスクールカウンセラーの業務内容や、やってみてからわかった苦悩を紹介していきます。
スクールカウンセラーの1日
一口にスクールカウンセラーと言っても、所属している学校によってスケジュールは変わってくるかと思います。一例として、こちらが私のスケジュールです。
9:15 出勤
9:15〜9:30 前回までの面接の記録、今日の面接の準備
9:30〜12:30 面接or記録or校内巡回
12:30〜13:15 昼休憩
13:30〜14:20 生徒支援部会に参加
15:00〜17:00 面接or記録
17:00 退勤
私の行っている曜日は、生徒が早帰りのため、校内巡回は午前中だけです。授業や部活がない方が、来室しやすいことを考慮してもらっています。急遽面接が入ったときは、面接を優先させています。面接がキャンセルになり、空き時間が出来た時は、『相談室だより』を作る等して広報に努めています。
また、忙しさはそれぞれの学校と、日によって大きく異なります。面接がキャンセルになって一日時間を持て余してしまうこともあるので、自分から仕事を探しに行く姿勢は大切にしています。
一人職場は想像以上に辛い
完全に1人職場であり、見立てに困ったとき等、頼りに出来る人はいません。スーパーヴァイズを外部で受けていたとしても、その日その場で判断を求めらるため、初めての職場でスクールカウンセラーになるのはハードルが高いので難しいと思いました。
また、学校はとても閉鎖的な社会です。学校にもよると思いますが、考え方が独特な印象を受けました。先生自身も学生の延長にいるような、社会と断絶され独自の環境を築いているようでした。
例えば、不登校の子に対して教師は「怠学じゃないのか」という見方しかできず、どうにか登校させようとします。母子関係や発達の課題など、本人が不登校という形で自分を守ろうとしているのだといくら説明をしても、納得はしていない様子でした。
虐待案件についても、実際「叩かれた」等の言葉を聞いていながら、「1回きりなら」や「子どももやり返してる」などの理由で、通告までさせてもらえないというもどかしさを経験しました。
実際スクールカウンセラーとして勤務をしはじめて、心理士としての意見に同調してくれる学校関係者が、こんなにも少ないとは思いませんでした。唯一、養護教諭は同じような考え方だったので、日々一緒に戦っているような感覚です。
少し本筋とは外れますが、1つとても驚いたことがあります。
それは、教師は、学生の時に生徒会や委員長など精力的に学校活動の経験がある方が圧倒的に多かったということです。学生時代が楽しかったと思っているからこそ、学校現場で働きたいと思ったんだろうなと考えると当たり前のことですが、これに気づいた時、いろんなことに納得いきました。クラスの端っこで目立たない子や、学校に行きたくないと思う子の気持ちがわからないんだろうな、と。
ぶっちゃけた話、給料はいくら?
現在、スクールカウンセラーとして働いている人の多くは「非常勤職員」だと思います。週に何日か、決められた時間だけ学校に出勤する働き方で、「時給制」もしくは「日給制」になります。
一般的に、スクールカウンセラーは時給3000〜5000円と言われています。
私が今働いているところは時給5000円です。
年間の勤務日数が決まっているのと、残業したりはできないので、年間の給与は固定です。時給なので、もちろんボーナスはないです。常勤職員と異なり、年収についてはどれくらいの日数・時間働くかによって大きく変わってきます。
そのため、複数の職場を掛け持ちする人が多いです。実際、私も週1日をスクールカウンセラーとして働き、残りの4日は別の仕事をしています。
多くは非常勤職員と言いましたが、そうじゃない場合もあります。それは、私立の学校に雇用される場合です。ただ、募集枠が少なく、そもそも募集にかけることも少ないので、条件のいい常勤のスクールカウンセラーの雇用には、出会えたらラッキーです。
これからも需要のある仕事
スクールカウンセラーは小中学校に必置となったため、雇用はどんどんと増えています。一方で、まだまだ立ち位置が不安定ですし、何よりスクールカウンセラーが育っていません。
かくいう私も、経験の少ないスクールカウンセラーの1人です。学校側としても、相談室の環境や教職員間での連携等、課題は山積みです。
私たち若い世代のカウンセラーは勉強会や研修に自主的に参加し、経験がない分を知識でカバーし、スクールカウンセラーとしての存在感を学校にアピールしていけたらと思います!
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